「六味」と栄養学を組み合わせた薬膳的献立②

薬膳的・六味を活用した献立例

テーマ「便秘改善」

使用した食材は色付けしています。

 

献立作成の参考に・・・

sayosalada.hateblo.jp

 

六味で分類した食材セレクト(下線   食材はビタミン類としても可)

六味

作用

栄養素別食材

炭水化物

たんぱく質

ビタミン・ミネラル類

その他

①酸・渋

 

 

多汗・下痢・頻尿を改善。唾液の分泌を促す。

 

 

トマト

レモン

スターフルーツ

ザクロ

 

②苦

身体の中の余計な水分を排泄する。熱を取り、便通をよくする。

 

 

ゴーヤ

 

お茶

③甘

 

疲れを改善、虚弱を補い、痛みを緩和する。

穀類ご飯・パン・麺類・お餅・オートミールなど)

小麦

芋類全般

かぼちゃ

たまご

鶏肉

牛肉

いわし

太刀魚

うなぎ

アジ

キャベツ

椎茸

カリフラワー

茄子

バナナ

りんご

メロン

ぶどう

蜂蜜

黒砂糖

ターメリック

④辛

発汗作用を促し、体に溜まった湿気を取り除くことで身体を温める。血流を良くする、痛みを止める。

 

 

生姜

ねぎ

にら

三つ葉

らっきょう

玉ねぎ

チンゲン菜

せり

みょうが

こしょう

シナモン

⑤鹹

貧血改善、便秘改善、固まりを和らげる。

 

海老

ほたて

牡蛎

イカ

豚肉

昆布

のり

ワカメ

クラゲ

オイスターソース

⑥淡

脾と

五臓

体液代謝を促し、利尿作用でむくみ、下痢を改善する。

 

マナガツオ

ゆば

冬瓜

ハト麦

薬膳的・六味を活用した献立例

テーマ「便秘改善」

 

①玄米ごはんor雑穀ご飯

②豚肉とキャベツと人参のオイスターソース炒め(生姜・にんにく・ねぎ)

③クラゲとわかめとみょうがの酢の物

④味噌汁(かぶ・しめじ)・・・お好みの旬野菜で

 

炭水化物→玄米ごはんor雑穀ご飯

たんぱく質→豚肉

ビタミン・ミネラル類→キャベツと人参のオイスターソース炒め

ビタミン・ミネラル類→クラゲとわかめとみょうがの酢の物

ビタミン・ミネラル類→味噌汁(かぶ・しめじ)

 

分かりやすい栄養学の知識も活用して「便秘改善献立」を考えます。

 

まず、意識するのは

「便秘改善」作用のある⑤鹹味(かんみ)

「熱を取り、便通をよくする」②苦味(くみ)

 

このうち②苦の食材は

私の調べ不足もあると思いますが、

ゴーヤくらいしかないので、

レパートリーというところでマンネリ化はしちゃいます。

 

また、ゴーヤはご存知の通り夏の食材なので、

身体をとても冷やします。

 

5月の今時期ではまだ早いかな?

という気がするので出番待ちしてもらいます。

季節に応じた食材を取り入れることはとても大切です。

 

なので、

主役を⑤鹹(かん)の食材にします。

→「豚肉」をメインにセレクト。

 

その他にも「クラゲ」「オイスターソース」も加えてみますが、

便秘改善として2つくらい取り入れることができれば、

効果はあるような気がしています。

 

その効果ばかりを狙って過剰に食材を揃えていくと

効果は出てもバランスが偏ります

 

効果を得るには何よりも

続けることが必要です。

 

続けられるような偏りない食事でないと

アンバランスとなり、

別の症状で悩まされるようになります。

 

結果的に身体に無理が生じて続かない

という可能性が出てくるので

気を付けていきたいところです。

 

 

ところで、

「豚肉」が「便秘改善」って不思議じゃないですか???

 

栄養学では「便秘改善」というと、

イコール「食物繊維」

というくらい浸透した考え方になりますが、

 

中医学や薬膳では

体内の水分を十分確保することで、

便を柔らかくさせて排出させる

という考え方が主体のようです。

 

マグミットという下剤の作用がこれと同じ作用ですね。

 

鹹の食材には、体内水分を増やすものが多いです。

 

便秘は内熱がこもることによって起こるので、

熱を取り除き、

「水分を潤わせるような食材である鹹をセレクトしていく」

 

ざっくりとですが、そんな考え方だと思います。

 

それでも、

食物繊維を取らなくて便秘改善になるの?

と、どうしても疑ってしまうのは、

栄養学が頭にあるからでしょうか。

 

そこで、

主食のご飯を

玄米や雑穀米にして繊維質を摂ることにしました。

手軽に美味しく食物繊維とビタミン類を摂ることができます。

 

 

続く

「六味」と栄養学を組み合わせた薬膳的献立①

六味とは、食材の持つ6つの味のことを指します。

 

①酸味・渋味(さんみ・しぶみ)

酸味、渋味を感じる食材

 

②苦味(くみ)

苦味を感じる食材

 

③甘味(かんみ)

甘味を感じる食材

 

④辛味(しんみ)

辛味を感じる食材

 

⑤鹹味(かんみ)

塩味を感じる食材

 

⑥淡味(たんみ)

はっきりした味を持っていない食材

 

六味は「食材の治療効果をまとめた結果」とのことです。

 

六味それぞれに「働きかける臓」があり、

六味それぞれに「効能・作用」があります。

 

六味で分類した食材セレクト(下線   食材はビタミン類としても可)

六味

作用

栄養素別食材

炭水化物

たんぱく質

ビタミン・ミネラル類

その他

①酸・渋

 

 

多汗・下痢・頻尿を改善。唾液の分泌を促す。

 

 

トマト

レモン

スターフルーツ

ザクロ

 

②苦

身体の中の余計な水分を排泄する。熱を取り、便通をよくする。

 

 

ゴーヤ

 

お茶

③甘

 

疲れを改善、虚弱を補い、痛みを緩和する。

穀類(ご飯・パン・麺類・お餅・オートミールなど)

小麦

芋類全般

かぼちゃ

たまご

鶏肉

牛肉

いわし

太刀魚

うなぎ

アジ

キャベツ

椎茸

カリフラワー

茄子

バナナ

りんご

メロン

ぶどう

蜂蜜

黒砂糖

ターメリック

④辛

発汗作用を促し、体に溜まった湿気を取り除くことで身体を温める。血流を良くする、痛みを止める。

 

 

生姜

ねぎ

にら

三つ葉

らっきょう

玉ねぎ

チンゲン菜

せり

みょうが

こしょう

シナモン

⑤鹹

貧血改善、便秘改善、固まりを和らげる。

 

海老

ほたて

牡蛎

イカ

豚肉

昆布

のり

ワカメ

クラゲ

オイスターソース

⑥淡

脾と

五臓

体液代謝を促し、利尿作用でむくみ、下痢を改善する。

 

マナガツオ

ゆば

冬瓜

ハト麦

 

六味とされる食材は、

その食材が本来持っている六味だけではなく、

調理・加工してから現れる六味の効果効能も

含まれているとのことです。

 

また、「甘いな」とか「苦いな」とか、

「実際に感じる味」

とは異なる六味になることがあるので、

注意とのことです。

 

 

六味それぞれ代表的な食材を挙げてみましたが・・・。

「甘」以外の食材は数が少なく、

専門店やネットで入手するような

「中薬」と呼ばれるマニアックなものを含めたら、

それなりに表が埋まるかもしれませんが。

 

う~ん・・・。

 

身近で入手できるもので、

六味の効能を活かした献立を考えていきたいんですよね。

 

いくら良いものを選んで、良いものを食べたって、

それが、1日や2日では効果が期待できないからです。

 

「中薬」は高価です。

中薬に興味を持って、薬膳生活始めようとして、

高価な中薬を取り揃えたはいいけど、

 

取り入れ方が分からなくて、

ワンパターン化して、

飽きちゃって、

 

いつの間にか使わなくなっちゃった。

なんてこと、すごくありそうです。

 

フィットネスジムに通うために、

ウェアを買ったけど、

買って満足しちゃって通わなくなっちゃった

に似ている現象かなと思います。

 

コンビニジムが世に出てきたように、

手軽であること、

生活の延長線上にあるものの方が、

取り組みやすく、継続性も望めるのではないか?

と感じます。

 

特別な食材を買い揃えることなく、

薬膳生活は送れるはずなんです。

「予防に特別なことはありません」からね。

 

では、

食材のもつ六味を活用して、

弱っている臓を養生し、症状を改善するためには、

具体的に、どうすればいいか考えて、

 

ごくごく普通の食生活で手に入るもので、

献立を作成したいと思います。

 

続く

体質改善には勇気と決意を持って悪縁を断つ②

sayosalada.hateblo.jp

 

体質って、

遺伝的なものもありますが、

 

積み上げてきた生活習慣、食習慣がとても影響すると思っています。

 

それはつまり

体質を改善させたいなら

生活習慣、食生活を改善させればいい

ということです。

 

体質を見極めて改善させる取り組みができれば理想だけど、

中医学のカテゴリーで、

自分の体質が何なのかハッキリさせるのは案外難しいような気がします。

 

 

自分のことは自分では分からない

ということは大いにありますが、

 

「これは自分的に良くないことだな」

「やめなきゃいけないものだな」

 

ということなら、

実際は案外わかっていたりするものです。

 

だとしたら、

良くないと分かっている生活習慣、食生活を改める方にエネルギーを費やしたほうが、効率的で結果も明確な気がします。

 

栄養相談で

「私は水を飲んでも太る体質なのよ」

と言われる方がいましたが、

 

「水はカロリーがないので、水で太ることはありませんよ」

とお伝えすると、

 

「え~?だってそうなのよ。」

と言われますが、

 

よくよく聞いていくと、甘いものをしっかり食べていて、

「どうしてもやめられないのよ」

と言われます。

 

タバコをやめる

アルコールを控える

甘いものを控える

夕食は腹八分目とする

野菜類を積極的に食べる

青魚を食べる

冷たすぎるもの、暑すぎるものを控える

など

 

体質を変えていくって、

悪友を断ち切るような、腐れ縁を断ち切るような

勇気と決意が必要だと思います。

 

ずーっと続けてきたものを止める、改めるって、

大変なエネルギーが必要です。

 

糖尿病の食事療法にしても、

インスリン分泌量を増やさない身体にするために食生活を変化させますが、

そのためには、

 

普段食べていたスイーツを諦めたり、

運動が嫌いだったけど、食後のウォーキングを決心したり、

 

心を新たに、

生まれ変わるような心持ちで挑むことが必要です。

 

行動変容には、それだけエネルギーが必要なのです。

(生まれ変わるような心持ちになれない人は、なかなか成果があがりません。)

 

薬膳の勉強として、

五気(五性)の食材分けをしましたが、

 

私は冷え性だからと

温性・熱性の食材ばかりを食べていたら

これまた食材の偏りが生じて良くないといわれます。

勉強を重ねるほどにややこしくなります。

 

なので、

 

「自分が良くないと思っている生活習慣と食生活を断ち切る」

 

という決意を持ち、

それを実行することが、まずはとても大切。

 

その上で

寒性・涼性・平性・温性・熱性の五気(五性)食材を

偏りなく食事に組み込んでいくことができれば、

だいたいの人の体質は、良い方に向かうのではないか

と考えています。

 

 

素人が応用を効かせて

手軽に簡単に薬膳を取り入れられるようにするには、

やっぱり慣れ親しんでいる栄養学的要素が必要になるなと感じています。

 

薬膳には陰陽五行のバランス

栄養学には栄養素や食品構成バランス

 

どちらもバランスが大切であるのは、

共通しているなと感じています。

体質改善には勇気と決意を持って悪縁を断つ①

食材の性質

 

五気(五性)とは・・・

寒性・涼性・平性・温性・熱性

 

五気とは五性ともいい、

食材の持つ5つの性質を指します。

 

寒性(かんせい)

身体を強く冷やす働きをします。

 

涼性(りょうせい)

身体を冷やす働きをします。

 

温性(おんせい)

身体を温める働きをします。

 

熱性(ねっせい)

身体を強く温める働きをします。

 

平性(へいせい)

寒性・涼性と温性・熱性のようにはっきりとした性質を持っていない食材です。

 

五気(五性)代表的食材一覧表

五気(五性)

働き

主な食材

寒性

身体の熱をとる

解毒

便通

利尿

苦瓜(ゴーヤ)、ズッキーニ、トマト、もやし、蓮根、海藻類、あさり、かに、たこ、豆腐、西瓜(スイカ)、バナナ、くるみ、しょうゆ、塩、ルイボスティー

涼性

セロリ、大根、きゅうり、茄子、冬瓜、オクラ、ほうれん草、卵、小麦、そば、りんご、マンゴー、いちご、緑茶

平性

他の食材と合わせやすく、寒涼性・温熱性の性質を緩和する働きがある。

ごはん、オートミール、小豆、大豆、キャベツ、かぶ、じゃが芋、長いも、里芋、とうもろこし、春菊、にんじん、カリフラワー、椎茸、黒きくらげ、鯖、鰹、牛肉、豚肉、イカ、豆乳、ごま、チーズ、牛乳、葡萄、レモン、蜂蜜、

温性

身体を温める

痛み止め

血液循環を良くする

生姜、ねぎ、大葉、にら、玉ねぎ、かぼちゃ、アスパラガス、にんにく、栗、海老、鶏肉、鮭、もち米、みかん、きんかん、酒、黒砂糖

熱性

山椒、胡椒、唐辛子、シナモン

 

 

●五気(五性)の食材の選択方法

体質によって使い分けします。

体質による不調を、食材で補う、取り除くなどして改善させていきます。

 

◎身体に熱がこもっているような人には寒性・涼性の食材

 (熱感・喉が渇く・顔が赤い・鼻血が出る・怒りっぽく興奮しやすい人など)

冷え性や虚弱体質の人には温性・熱性の食材

 (息切れ・疲れやすい・めまいがある・顔色が白い・生理不順がある・鬱々とした気持ちになるなど)

 

・・・というように、

体質でカテゴリー分けをするのが一般的のようです。

 

 

けれども、

自分の体質をきちんと分かっている人って

実際どのくらいいるのでしょうね。

 

中医学として捉える体質もいくつかあるようです。

気虚血虚、陽虚、気滞、血瘀、陰虚、血熱などなど

 

恐らく多くの人が、

自分のことは自分ではよくわかってないものですよね。

 

私は自分が虚弱体質なんて全く思っていなかったけど、

以前、漢方を専門に学んだ漢方医に診てもらったら、

虚弱体質と言われてびっくりしたことがあります。

 

ここには明記しませんが、

テキストには体質それぞれの説明として

特徴がいくつかあげられています。

 

手足が冷える・喉が渇く・身体が重い・汗をかく

舌の所見

など。

 

当てはめていくと

「これは当てはまるけどこれは全くないし」

とか

「この体質っぽいけど、この体質って感じもするし」

というように、

自分の体質がイマイチ分からなかったりします。

 

 

実際、体質を判断する場合、

「この体質」

というように1つに絞られたものではなくて、

 

この体質とこの体質とこの体質

というように

 

複数重なり合っていることが多いようです。

 

それこそ、

中医学を学んだ人にしか判断できないの?

と思ってしまいますが、

 

中医学も薬膳も予防や未病を重視しているわけですから、

専門家に診てもらう前に取り組めることが、

前提としてあってもいいんだろうなと思ったりします。

 

②に続く。

 

 

食生活は幅広く。「分かっているけどやめられない」継続するクセは改善したいところ。

どこかで聞いたことのある方も多いと思いますし、

知っている方もたくさんいらっしゃることだとも思いますが、

 

保育園や学校や老人ホームや事業所など、

献立はほぼ「月単位」で作成されます。

 

たんぱく質、脂質、炭水化物のPFCバランスも

穀類、肉類、野菜類、果物類、菓子類というような食品構成も

ビタミン、カルシウム、鉄分といった栄養素も、

 

「1か月」という単位で

その保育園や学校や老人ホームや事業所で

それぞれ設けた基準値を満たすように作成されます。

 

1日という単位での栄養価の縛りがあっては、

食材の選択も構成もパターン化し、

献立に広がりが生まれませんし、

献立を立てる側も、かなり大変です。

 

 

この「献立や食事を幅広い単位で考える」ということは、

家庭の家計管理においても

個人の健康管理においても

とても有益だなと思っています。

 

今日摂れなかった栄養素は明日摂る

とか、

今日食べ過ぎた分は明日減らす

とか、

何なら、今日食べ過ぎた分は明日以降の一週間で調整する

でも、

全然OKなのです。

1日、1食ごとに凹む必要はありません。

 

例えば、

摂りすぎた糖質・脂質がすぐに脂肪として蓄積されるのかといえば

そんなことありません。

一旦は、グリコーゲンというエネルギー源として肝臓に貯蔵されます。

 

この肝臓に貯蔵されたグリコーゲンが使われず、

更に蓄積されると体脂肪として身体に蓄えられるので、

 

「肝臓に貯蔵されたグリコーゲンを早めにエネルギーとして消費する」

「グリコーゲンの更なる蓄積を防ぐ(継続して食べ過ぎない)」

 

これらに気を付けていれば、

体脂肪の蓄積を防ぐことができます。

 

1日やそこらで太るわけではありません。

 

病気にしても、

原因となるものが蓄積したり、

原因となるものが複数重なって、

そこで初めて発症するものです。

 

 

家計の出費額の調整とも似たところで、

予定していた金額をはみ出してしまった分を

次回で調整するような感じで、

 

ずさんな管理が続き、調整が効かなくなって、

生活が回らなくなってしまえば「自滅」ということです。

 

 

厳密な食事管理が必要な人を除いて、

献立を立てる際、

外食などで食事を選ぶ際には、

 

最終的に着地するところ(基準値・目標値)はブレないようにして、

「誤った蓄積をしないよう注意すれば何とかなる」

そんな感じです。

 

そうはいっても、

知らない間に

良くない習慣が身についてしまう、

良かれと思って続けていたことが実は良くなかった、

というのは、よくあることです。

 

自分の食生活を振り返るキッカケ

体調不良、健康診断や血液検査などになりますが、

「自分の食生活のクセが現れる時」

だなと感じています。

 

これらの機会は

これから先

まだまだ生きていかなければいけない私たちにとって、

 

「健康に引き戻してもらえるチャンス」

として捉えて、

 

絶望感のあとは

事実を建設的に持っていってもらえたらなと思っています。

 

 

恐らく大体の人が自分の食生活に関して、

「分かっているけどやめられない」

のループなんだろうけど、

 

私も含め、

「分かっているけどやめられない」

うちはきっと、

 

「本当には分かっていない」

「やめる気がない」

 

ということだと思っているので、

 

気持ちと行動が一致させる

本人の強い意志が必要になってくるということは、

言うまでもありません。

 

 

 

100年生きるために~梅雨の養生~

梅雨

 

二十四節気で言うと

立夏」(5月のこどもの日頃)から

小満」「芒種」と進み

陽のピークである「夏至」を越え

そこから1つ先の「「小暑」ときて

大暑」(7月末日頃)まで

 

★梅雨に値する「長夏」★

5~6月頃は梅雨で、

日本の梅雨に当たる時期のことを

中国では「長夏(ちょうか)」といいます。

 

「陰消陽長」「陰陽平衡」

日照時間が長くなり、夜が短くなってきます。

陰と陽のエネルギーが平衡するときです。

雨が降ることで自然界に潤いを与え、

植物が豊かに育つ生養の季節です。

庭や畑には雑草が生い茂る頃で、

太陽と水と大地のエネルギーは、

果てしない生命力を与えると感じます。

 

★梅雨時期の五行は「土」★

土は大地。

あらゆる事物の基盤となります。

私たちが降り立ち踏みしめる大地がぬかるんでいては、不安定で、

飛び立とうにも力強く蹴り上げることができません。

しっかりと根を張り生きる人は土の気質を持つイメージがあります。

 

★梅雨は「湿」★

梅雨は湿度が増して、わたし達の身体にも湿気が溜まりやすくなります。

身体や頭が重だるい、むくみ、食欲不振、痰がたまりやすくなる、冷えなどの症状に注意が必要です。

身体だけではなく、心も風通しが良いと感じる生活環境を心掛け、

「流れのままにいきましょ」と思い悩むことは避けましょう。

 

★夏の五臓は「脾」★

梅雨の季節は消化器系の脾と胃の働きが活発になります。

 

活発になるのは何故でしょう?

身体の脾と胃の必要性が高まるためです。

身体に溜まった湿を代謝し、

食物からエネルギーや血液などを生成する「水穀の精微」をつくり

梅雨の先にある

夏・秋・冬そして春までぐるりと1周

できる限り首尾よく過ごすためだと思っています。

 

脾は湿を嫌うため、冷たい物・なま物・水分を多く取ると脾胃働きが悪くなります。

脾胃は生命エネルギーを作り出す基盤とも言えるので、

ここが弱ると途端に元気が出なくなります。

 

★梅雨の味は甘味★

甘味は脾を養う働きがあります。

甘味は湿が溜まりやすい性質があるので、取り過ぎに注意します。

 

調味料の砂糖が固まってしまうのもこの性質で、

糖質を摂りすぎる方で体重を気にされる方が、

脂肪の他にも水分まで溜め込んでいたりするのも、

この性質が元になっていると考えて良いでしょう。

 

できるかできないかは、望むか望まないかは別として、

何事にも程々に、バランスが大切ということですね。

 

 

献立の立て方→私が提案する3大栄養素を意識します。

 

sayosalada.hateblo.jp

 

 

梅雨の献立作成ポイント

 

ポイント①

~温め効果と甘味の食材を使用する~

脾の働きは暖かい環境の中でスムーズに働きます。

「益気健脾」という作用のある食材を選びましょう。

 

ポイント②

~甘味の使い方に注意する~

甘味は湿を溜めやすいので摂りすぎに気を付けます。

 

パンだけ、おにぎりだけの朝ごはんにしていませんか?

ヘルシーなイメージのバナナとヨーグルトの朝食にしても似たようなものです。

炭水化物や糖質は欠かすことのできない優秀な栄養素ですが、

他の栄養素と組み合わせることで、より適切な働きをしてくれます。

 

ポイント③

~香りのある食材を使用する~

芳香性のある食材は温め効果のある食材が多く、

気の巡りを良くして、湿を取り除く作用があります。

 

ポイント④

〜気の流れを促し利尿作用のある食材を使用する〜

「行気・利湿」といって巡りを良くして湿を取り除く作用です。

利尿作用のある食材は冷え性、虚弱体質の人など

食べすぎないようにしましょう。

 

「食べすぎないように」

とは、人によって異なるので、

私は「連続して食べない」ことを意識してもらえれば良いのかなと思います。

休肝日」に似た考えですね。

 

ポイント⑤

〜冷たい物・なま物・甘いものは控える〜

湿を溜め、脾を傷めるので控えます。

 

特記されていませんが、

脂っこいものも、胃酸の分泌を過剰にし、

胃の消化機能を低下させるので控えると良いと思います。

 

 

梅雨時期に用いる食材セレクト(下線部    はビタミン・ミネラル類としても可)

作用

栄養素別食材

ちょこっとアドバイス

炭水化物

たんぱく質

ビタミン・ミネラル類

その他

①   益気健脾

 

 

 

ご飯

じゃが芋

さつま芋

長芋

とうもろこし

かぼちゃ

大豆

鶏肉

牛肉

たら

イワシ

かつお

さば

スズキ

椎茸

グリンピース

いんげん

キャベツ

 

 

 

脾胃の働きを強くします。

②   芳香化湿

 

 

玉ねぎ

大葉

山椒

みかん

さくらん

 

ジャスミン

温め効果と、香りの揮発効果で湿を取り除きます。

③   清熱解暑化湿

そば

大麦

豆腐

しじみ

はまぐり

もやし

セロリ

きゅうり

せり

 

お茶

苦味・身体を冷やす性質の食材で熱と湿を排泄します。

④   行気・利湿

 

ハト麦

はも

生姜

ねぎ

らっきょう

大葉

にんにく

大根

冬瓜

小豆

みかん

ジャスミン

湿が溜まると食欲低下・腹部膨満・疲れ・下痢などの症状が現われます。これらは湿を排出して巡りを良くしてくれます。

 

薬膳的・梅雨の献立例として

使用した食材は色付けしています。

 

①ざるそば(そば粉多めが効果的)

 薬味いっぱい(ねぎ、大葉、生姜、みょうがなど)

②鶏肉の山椒風味照り焼き大根おろし添え

(山椒は粉末でも、葉でもOK)

③ぶっこみラタトゥイユ

(玉ねぎ・ピーマン・椎茸・セロリ・大麦・にんにく・トマト缶など

炒めて、トマト缶と固形コンソメで煮るだけ。

・・・冷蔵庫の残り野菜を取り交ぜてぶっこんじゃえます。)

③茹でキャベツとコーンのコールスローサラダ

 

炭水化物ざるそば

たんぱく質鶏肉山椒焼き

ビタミン・ミネラル類→ざるそばの薬味

ビタミン・ミネラル類ラタトゥイユ

ビタミン・ミネラル類コールスローサラダ

 

※テキストに記載のある春に用いられる食材にはありませんが、

旬の食材は、養生効果があると思っています。

梅・鮎・アジ・なす・びわなどですね。

 

 

「憂い」「思いすぎ」

脾の働きにダメージを与えるそうです。

 

梅雨は湿気が多く、髪の毛もまとまらないし、

梅雨時期はどうしたって憂鬱さを触発してんじゃん!

なんて思うけど、

 

苦難だと思っていることでも、

角度を変えてみれば、

とても有意義なことだった、

実は必要なことだった、

ということはいくらでもあって、

 

雨が降るから美味しい農作物が実り、

私たちの生命が潤い満たされ、

 

嫌だと思っていた梅雨の雨

天からの恵みだったと気が付くのは、

後になってからです。

 

私たちの人生行程もきっとそんな感じで、

今の憂い・思いすぎる現実は、

後になってみれば、

自分の成長のために必要な

天からの恵みだったと思えることだと思います。

 

梅雨は生養の時期。

後に花開かせため、飛躍するため、

コンディションを整え準備するときです。

 

長くまとまりないようになってしまいましたが・・・

表を参考にして旬のものを取り入れれば、

アバウトですが、

面倒じゃない続けられる

薬膳効果のある献立に仕上がるかと思います!

 

100年生きるために~春の養生~

 

二十四節気で言うと

立春」(2月の節分明け頃)から

「雨水」「啓蟄」「春分」「清明」と進み

穀雨」(4月末日頃)まで

 

「陰消陽長」

日照時間が長くなり、夜が短くなってきます。

寒さが和らぎ、暖かくなってきます。

お日様の光を感じると

自然と気持ちも明るくなって、

お出掛けしようかなと行動力が出てきます。

 

★春の五行は「木」★

春は陽気を育てて生長させる季節。

木には生長・発散・柔軟・伸びる特徴があります。

向上心があり、常に大きな目標を掲げて立ち向かう人は、

木の気質を持つイメージがあります。

 

★春は「風」★

春になると東風が吹き、新芽が出て、自然界を生長させます。

風は事物を勢い付けて活性化させます。

向かい風になるか?追い風になるか?

どちらにしても結果的に生長に導かれます。

 

★春の五臓は「肝」★

肝は鬱状態を嫌い、伸びやかなことを好むので、木に属します。

春は肝の機能が高まり、精神情緒が興奮しやすくなります。

情緒が刺激されウキウキした気分にもなれば、

怒りっぽくもなる。

春の情緒変化は肝の機能の高まりからでもあります。

 

★春の味は酸味★

酸味は肝に入りやすく、

適量の酸味は肝を養い、

また、酸味は肝の高ぶりを抑制してくれます。

いよかん、はっさく、夏みかんなど、

春には柑橘類が多く出回りますが、

自然の恵みは、私たちにピンポイントで必要なものを与えてくれます。

 

献立の立て方→3大栄養素を意識します。

sayosalada.hateblo.jp

 

春の献立作成ポイント

 

ポイント①

~身体を温める食材を選ぶ~

暦の上では春ですが、まだ寒さの残る時期なので、

身体を温める辛味・甘味の食材を選ぶとgood。

 

ポイント②

~酸味を上手に取り入れる~

適量の酸味は肝を養い、

また、酸味は肝の高ぶりを抑制してくれるため、

興奮しすぎる精神情緒を抑えてくれます。

注意事項として、

酸味は身体を温める機能も抑制されるため、

冷え性・虚弱体質の人は控えた方が良く、

若者・健康な人・身体が丈夫な人・高血圧の人・怒りっぽい人には

多めに使ってよいでしょう。

 

ポイント③

~補う×発散~

身体を養い、体質を増強させる補養作用のある食材(下記④)と、

発散させる効果のある食材(下記①)をともに使用すると、

臓腑機能を高める気の滞りを防ぐことができます。

 

春に用いる食材セレクト(下線部    はビタミン・ミネラル類としても可)

作用

栄養素別食材

ちょこっとアドバイス

炭水化物

たんぱく質

ビタミン・ミネラル類

その他

①   辛温発散

 

 

 

 

 

ねぎ

生姜

みょうが

三つ葉

しそ・パクチー

 

身体を温める効果がある。

まだ寒さの残る早春に適した食材。

②   辛涼発散

葛粉

 

食用菊

 

ハッカ

身体を冷やす効果がある。

晩春に適した食材。

③   清熱瀉火解毒

 

豆腐

白菜

セロリ

きゅうり

トマト

じゅんさい

マコモ

お茶

苦み・甘味を持つ食材が多く、身体の熱を取り除く。

ニキビや吹き出物を抑える効果がある。

④   益気養血補肝

うるち米

とうもろこし

長いも

じゃが芋

かぼちゃ

 

大豆

牛肉

鶏肉

豚モツ

豚足

レバー

イカ

人参

ほうれん草

キャベツ

いんげん

椎茸

ぶどう

ライチ

落花生

松の実

蜂蜜

 

臓腑の働きと血を養い、肝を補う。

⑤   滋陰清熱

小麦

豆乳

牛乳

うずらの卵

鶏肉

豚肉

鴨肉

貝類牡蛎・鮑

かに

くらげ

キウイフルーツ

ごま

臓腑を潤し、体内の熱を取り除く。

 

炭水化物・たんぱく質・ビタミン・ミネラル類を意識した

「薬膳的・春の献立例」

使用した食材は上記表に色付けしました。

 

あさりの和風ドリア

(具材:あさり・ほうれん草・椎茸・ねぎ・生姜、

牛乳でホワイトソース)

トマトとお豆腐のサラダ・みょうがのせ

(お好みのドレッシングで)

長いもソテー・三つ葉と松の実トッピング

キウイフルーツ

 

①②③あさりの和風ドリア

→炭水化物たんぱく質・ビタミン・ミネラル類同時にとれる。

炭水化物ご飯

たんぱく質あさり牛乳

ビタミンミネラル類ほうれん草椎茸ねぎ生姜、

②③トマトとお豆腐のサラダ・みょうがのせ

たんぱく質豆腐

ビタミン・ミネラル類トマトみょうが

③長いもソテー・三つ葉と松の実トッピング

ビタミン・ミネラル類長いも三つ葉松の実

キウイフルーツ

ビタミン・ミネラル類

 

 

※テキストに記載のある春に用いられる食材にはありませんが、

旬の食材は、養生効果があると思っています。

筍、そら豆、グリンピース、柑橘類など・・・。

 

春は芽吹きの季節なので、

筍、そら豆、グリンピース、タラの芽といった

芽吹きのエネルギーがぎゅっと詰まったものが出回るのでしょう。

 

春はきっと、

何かをスタートするのにふさわしい季節で、

何かをスタートさせるだけのエネルギーを、

自然から頂ける季節ということなのでしょう。