「六味」と栄養学を組み合わせた薬膳的献立①
六味とは、食材の持つ6つの味のことを指します。
①酸味・渋味(さんみ・しぶみ)
酸味、渋味を感じる食材
②苦味(くみ)
苦味を感じる食材
③甘味(かんみ)
甘味を感じる食材
④辛味(しんみ)
辛味を感じる食材
⑤鹹味(かんみ)
塩味を感じる食材
⑥淡味(たんみ)
はっきりした味を持っていない食材
六味は「食材の治療効果をまとめた結果」とのことです。
六味それぞれに「働きかける臓」があり、
六味それぞれに「効能・作用」があります。
六味で分類した食材セレクト(下線 食材はビタミン類としても可)
六味 |
作用 |
栄養素別食材 |
||||
炭水化物 |
ビタミン・ミネラル類 |
その他 |
||||
①酸・渋
|
肝 |
多汗・下痢・頻尿を改善。唾液の分泌を促す。 |
|
|
トマト 梅 レモン ザクロ |
|
②苦 |
心 |
身体の中の余計な水分を排泄する。熱を取り、便通をよくする。 |
|
|
ゴーヤ
|
お茶 |
③甘
|
脾 |
疲れを改善、虚弱を補い、痛みを緩和する。 |
穀類(ご飯・パン・麺類・お餅・オートミールなど) 小麦 芋類全般 かぼちゃ 栗 |
たまご 鶏肉 牛肉 いわし 太刀魚 うなぎ 鮭 アジ |
キャベツ 椎茸 カリフラワー 茄子 バナナ りんご メロン ぶどう |
蜂蜜 黒砂糖 |
④辛 |
肺 |
発汗作用を促し、体に溜まった湿気を取り除くことで身体を温める。血流を良くする、痛みを止める。 |
|
|
生姜 ねぎ にら らっきょう 玉ねぎ チンゲン菜 せり みょうが |
こしょう シナモン 酒 |
⑤鹹 |
腎 |
貧血改善、便秘改善、固まりを和らげる。 |
|
海老 ほたて 豚肉 |
昆布 のり ワカメ クラゲ |
オイスターソース |
⑥淡 |
脾と |
体液代謝を促し、利尿作用でむくみ、下痢を改善する。 |
|
マナガツオ ゆば |
冬瓜 |
ハト麦 |
六味とされる食材は、
その食材が本来持っている六味だけではなく、
調理・加工してから現れる六味の効果効能も
含まれているとのことです。
また、「甘いな」とか「苦いな」とか、
「実際に感じる味」
とは異なる六味になることがあるので、
注意とのことです。
六味それぞれ代表的な食材を挙げてみましたが・・・。
「甘」以外の食材は数が少なく、
専門店やネットで入手するような
「中薬」と呼ばれるマニアックなものを含めたら、
それなりに表が埋まるかもしれませんが。
う~ん・・・。
身近で入手できるもので、
六味の効能を活かした献立を考えていきたいんですよね。
いくら良いものを選んで、良いものを食べたって、
それが、1日や2日では効果が期待できないからです。
「中薬」は高価です。
中薬に興味を持って、薬膳生活始めようとして、
高価な中薬を取り揃えたはいいけど、
取り入れ方が分からなくて、
ワンパターン化して、
飽きちゃって、
いつの間にか使わなくなっちゃった。
なんてこと、すごくありそうです。
フィットネスジムに通うために、
ウェアを買ったけど、
買って満足しちゃって通わなくなっちゃった
に似ている現象かなと思います。
コンビニジムが世に出てきたように、
手軽であること、
生活の延長線上にあるものの方が、
取り組みやすく、継続性も望めるのではないか?
と感じます。
特別な食材を買い揃えることなく、
薬膳生活は送れるはずなんです。
「予防に特別なことはありません」からね。
では、
食材のもつ六味を活用して、
弱っている臓を養生し、症状を改善するためには、
具体的に、どうすればいいか考えて、
ごくごく普通の食生活で手に入るもので、
献立を作成したいと思います。
続く