薬膳献立も3大栄養素を意識すると活用しやすい!

今回は薬膳効果を狙った献立の立て方を、ざっとご紹介したいと思います。

 

薬膳効果を狙う献立作成も

栄養学の考え方を基本に考えると分かりやすいと思いました。

 

基本は、

小学生で習った3大栄養素」

 

といっても、

3大栄養素のカテゴリーが異なります。

 

栄養学の3大栄養素

 

私が考える

薬膳献立として活用度が高い必要な3大栄養素

①炭水化物

たんぱく質

ビタミン・ミネラル類

 

脂質ではなくビタミン・ミネラル類にしたのは、

薬膳料理には野菜類を用いりやすいということと、

野菜不足を解消するためです。

 

脂質ではなく「ビタミン・ミネラル類」にすることで、

 

現代社会に必要な食生活を意識しながら

献立として構成しやすく、

広がりがあるものになる

 

と考えたためです。

 

 

献立構成としてはシンプルで難しいことはありません。

 

①炭水化物の主食

たんぱく質主菜(メイン)

③ビタミン・ミネラル類の副菜(野菜類中心のおかず、汁物、果物など)

 

 

例えば

「老化防止の献立」を立てたいときには、

 

下の表にある「老化防止に用いる食材セレクト」から

献立構成となる3大栄養素①②③を選んでいくだけ。

 

③のビタミン・ミネラル類は、

野菜きのこ海藻類を使用したものを2品以上が好ましいと思っています。

というのも、

今の時代、どうしても炭水化物・たんぱく質過多になりがちなので、

野菜不足を補うために、積極的に摂るようにしたいためです。

 

 

老化防止に用いる食材セレクト(下線   食材はビタミン類としても可)

作用

栄養素別食材

ちょこっとアドバイス

炭水化物

たんぱく質

ビタミン・ミネラル類

その他

①     補気

(生命エネルギーを補う)

 

 

 

ご飯

山芋

じゃが芋

かぼちゃ

鶏肉

牛肉

カツオ

キャベツ

いんげん

椎茸

マッシュルーム

蜂蜜

下記にある⑥行気解鬱食材とバランスが良い

 

②     養血

(血液を補う)

 

鶏肉

牛肉

豚レバー

イカ

タコ

赤貝

人参

ほうれん草

ぶどう

ライチ

 

落花生

適度に①補気⑥行気解鬱の食材を一緒に取り入れると胃を傷めず効果的。

③     滋陰

(血液・体内水分を補う)

 

牛乳

豚肉

鴨肉

牡蛎

ほたて

あわび

小松菜

白きくらげ

ごま

松の実

⑥行気解鬱の食材を一緒に取り入れると胃を傷めない。

④     助陽

(身体を温める)

羊肉

海老

イワナ

ナマコ

 

くるみ

 

⑤     活血化瘀

(血流を促す)

 

 

チンゲン菜

にら

くわい

にんにく

ねぎ

お酢

⑥行気解鬱の食材を一緒に取り入れると効果的。

⑥     行気解鬱

(生命エネルギーとなる気を散らし、滞った気鬱を解消する)

そば

 

玉ねぎ

ラッキョウ

えんどう豆

みかん

オレンジ

お酢

 

 

使用する食材を決めたら、

その食材で料理するだけ。

 

例として「老化防止の薬膳献立」を立ててみます。

使用したものには文字をカラーにしました。

 

栗ご飯

②鶏肉のハニーマスタード焼き・ほうれん草のガーリックソテー添え

③キャベツとにんじんのごま酢和え

③にらとたまごのかきたま汁

③みかん

 

→3大栄養素で分けると・・・

炭水化物→栗ご飯

たんぱく質→鶏肉のハニーマスタード焼き・ほうれん草のガーリックソテー添え

ビタミン・ミネラル類→キャベツとにんじんのごま酢和え

ビタミン・ミネラル類→にらとたまごのかきたま汁

ビタミン・ミネラル類→みかん

 

 

炭水化物ご飯

今回は栗を加えてみましたが、鶏肉やにんじん、しいたけを加えて五目御飯にしても。

 

たんぱく質鶏肉

唐揚げにしても、蒸してもお好みで。添え野菜はあってもなくても構いません。

 

ビタミン・ミネラル類は2品以上。

和え物汁物は野菜を使用して、デザートに果物

煮物でもいいし、サラダでもお好みの物で。

 

 

使用する食材を決めたら、その食材で料理するだけなので

料理サイトでその食材を使用した料理を検索することもできます。

 

好みのものを作ることができるので、

レシピが固定されないから、

薬膳効果を期待しながら、献立の幅が広がると思っています。

 

献立作成のポイントは、

「老化防止」という作用効果のある食材を、

「作用に偏りなく取り入れる」こと。

 

例えば、

①「補気」の食材のみで献立を立てていくのではなく、

②③④⑤⑥の食材も上手に組み込んでね

ということです。

 

中医学や薬膳の考え方は「バランス」にあるので

偏りがあっては、良い効果も良くならない

ということです。

 

 

中医学や薬膳の「バランス」という考え方は、

「バランス」の質が違いますが、

栄養学にも同様に言えることです。

 

(陰陽五行に基づくバランスに対して、

栄養学は3大栄養素やビタミン・ミネラル類のバランス)

 

献立はまさに「栄養バランス」を重視してつくられます。

 

なので、

身体に良いと言われるものを

毎日食べていれば大丈夫というものでもありません。

 

オートミール、納豆、トマト・・・

 

どの食材も考え方や捉え方や使い方で、

良い効果も、そうでない効果も生じるものです。

 

偏った情報にも気を付けなければいけないなと感じています。

 

今回は3大栄養素の活用方法をざっとお伝えしたので、

次回は、「季節に応じて用いる食材セレクト」を作成していきたいと思っています。

薬膳に感じるハードル・・・実用性がイマイチかなあ。

薬膳の勉強を始めました。

薬膳は中国医学中医学)の思想をベースとしているので、

同時に中医学も少しだけ学んでいます。

 

中医学の栄養の捉え方は

栄養素や食品構成といった栄養学、

エネルギー計算、化学式や酵素で表されるような化学反応による生化学でもなく、

 

人間は宇宙や自然と共にあるという

「陰陽学説」と「五行学説」をベースとしています。

「陰陽学説」は

 

太陽が昇るとともに月が沈み

太陽が沈むとともに月が昇るように

 

自然界は「陰陽のバランス」のもとに成り立っているという概念です。

 

人間の身体も「陰陽バランス」の偏りから病理変化が生じ、

食材のもつ性質を温性・寒性といった「陰陽」として捉え、

 

陰陽を補う、または取り除くことで

身体のバランスを整えていくという

 

身体に取り入れる栄養を、

大きく「陰」と「陽」で分けた考え方です。

 

 

「五行学説」は

 

自然界にある物質を五つに分け

「木・火・土・金・水」=「五行」として

 

これら「五行」の相互運動と強弱といった変化バランスとともに、

自然界は成り立っているという概念です。

 

「五行」の性質をもとに、

 

食材を五味「酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(かんみ)」

臓器を五臓「肝・心・脾・肺・腎」とし、

 

病理変化は五行バランスの偏りだと捉え

五行を補う、取り除くことで

身体のバランスを整えていくという

 

身体に取り入れる栄養を

大きく「五行」に分けた考え方です。

 

 

私は管理栄養士として働いているので、

栄養学になじみがあります。

 

いやきっと、

管理栄養士ではなくても、

小学生で栄養学の基礎は学ぶので、

多くの人が、

食事や栄養に関することは、栄養学をベースに考えると思っています。

 

薬膳を勉強してみて思うのが、

この栄養学との違いが、薬膳を学ぶおもしろさではあるのですが、

 

なかなか実用的にまで持っていくのが難しいなと感じています。

 

薬膳レシピを探してみると

入手しにくい食材があったり、

この効果が欲しいという単品レシピは見つかるけど、

献立として少し広げて考えると、何だか収集がつかなくなってしまいます。

 

「この効果が欲しい」が叶う料理に、

プラスする料理は何だろう?

 

毎日続けたいけど

簡単で安くて身近に買える食材じゃないと

毎日の献立として食卓に出していけないし・・・

 

など、

きちんと勉強した人でないと実用性がイマイチなことに困っています。

 

そこで

薬膳を簡単に日常に取り入れ

毎日の食卓に並べられるような方法を

考えていこうと思いました。

 

まだまだ薬膳の勉強を始めたばかりなのですが、

特別な食材を準備する必要のない

実用性ある薬膳をご提案できればと思っています。

 

続く

100年生きられる時代になった 。 100年生きられる時代になってしまった。

生まれて死ぬという人生行程は不変です。

 

命は限りあるものに違いありませんが、

その命の長さには社会的環境が大きく関わります。

 

小さな不満はあるけど、

わたしは今、

とても恵まれた社会的環境にいるなと感じています。

 

汚染されていない衛生的な水が蛇口から流れます。

医療技術はどんどん進歩発展しています。

新薬もどんどん開発されています。

 

100年生きられる時代になった

100年生きられる時代になってしまった

 

どのように感じるかは人によりますが、

長寿が叶うような恵まれた社会的環境の中で、

わたしは今生きているんだなと感じています。

 

 

私が管理栄養士として勤務している特別養護老人ホーム(定員80名)には

100歳を超えている方、今年100歳になる方、あと数年で100歳を迎える方、

合わせて6名ほどいらっしゃいます。

 

長寿が叶うような時代になったと思う一方で、

 

3人に1人が65歳以上という、

高齢化社会を迎えることになったとも感じています。

 

 

特別養護老人ホームも有料老人ホームも通所リハビリ施設も

あちこちに建てられています。

 

高齢者の需要に応えられるよう

高齢化の波に乗れと、

多くの企業や法人が規模を拡大し参入しているようです。

 

しかし、

日本は少子高齢化です。

 

施設を建てて、お客様となる高齢者が入居したところで

果たして働き手となる人材は確保できるのでしょうか?

 

私は、非常に厳しい状況だと思っています。

 

今現在の介護職員の収入では、必要な人材は集まらないと思っています。

 

そうなるとどうでしょう。

質の良い介護は受けられません。

 

歳をとってボケたら施設に入ればいい

そう思っている人がいたら、考え直したほうが良いかもしれません。

(ボケても快不快の感情は持っていたりします)

 

超高級老人ホームに入居し、

手厚いサービスを受けられるのは本当に限られた人間だけだと思います。

 

実際、多くの高齢者は施設ではなく在宅で生活しています。

 

お金がないから施設に入居できない

という方もいれば、

 

億のマンションに住んでお金はあるけど、

家にいたいと

介護保険を利用して在宅サービスを受けている、

そんな人もいます。

 

様々な理由で、在宅で生活する高齢者はたくさんいるのです。

 

しかし、

今現在、在宅サービスを支えているのは70歳以上の高齢者で

在宅の介護サービスは、施設よりもっと深刻な人材不足です。

 

施設でも在宅でも、

終の棲家となる場所で、

 

自分や、自分の家族が、当初描いていたような

穏やかな生活は送れないかもしれない

 

そんな現実が、今もう目の前にあると考えていいでしょう。

 

「そんな先のことだから」と

リアルには感じにくい現実の中で、

多くの人が生きていますが、

 

100年と言わずとも、

後々「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために

じゃあ何ができるのかといえば、

 

「健康でいること」

 

これが最上級であって、

これ以上のものはないんじゃないかなと思っています。

 

健康でいるためには

睡眠・休養・栄養を

自己管理することが大切だと思いますが、

 

実際は、

社会的な立場、人間関係などの摩擦から、

休養を取りたくても取れないというような

自分で自分の行動をコントロールすることが難しい

そんな場面が多いと思います。

 

けれど、

健康でいるためには気持ちをフラットにして

 

「自分が主体」となって

「自分の心と身体を動かしていく」

より他なく、

 

恵まれた社会的環境にあっても、

 

自分を守っていけるのは、自分しかいないんだろうと

そんな風に感じています。